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前河涼介 2020/08/09 公開 2020/08/09 11:51 更新
夜の街を焼き尽くす地獄の業火。でも私はその様子を眺めるのがなぜだか好きでした。恐ろしいけれど、美しい。それはまるで傲り高ぶった人の子の世を戒める神の御業のようで……。それがまさか人の手によるものだったなんて、思いもしなかったのです。
かつて戦争には前線と後方(銃後)という区別があって、死を覚悟すべき領域とそうでない領域とが明確に区切られていたのだ。けれどそれは戦略爆撃の台頭によって脆くも崩され、銃後の人々も肌身に戦争を感じなければいけなくなった。けれどそれは敵の兵士の姿をしているわけではない。頭上高く飛来する爆撃機が落とす爆弾として現れたのだ。銃後の人々にとって戦争とは天から降るものであり、また上下に遠く隔てられた敵味方が互いに互いを人間と感じることも難しかったのではないか。そんな戦争のあり方の転回を1人の叙情として描いてみました。
坂口安吾『堕落論』の影響を受けています。安吾は前線行きが嫌で新聞社に勤めていましたが、屋上から眺める空襲が好きだという記述があったと記憶しています。
カクヨムにも投稿しています。
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