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グミ食べたい 2026/10/23 公開 2026/10/30 22:16 更新
「暗殺(しごと)か?」
「はい、給仕(しごと)です」
とある町の食堂。
追放された元宮廷魔導士キッドは、注文を取りに来たウェイトレスの顔を見て凍りつく。
ルイセと名乗るその娘こそ、かつてキッドが護衛の任で刃を交え、からくも退けた伝説の暗殺者「シャドウウィンド」だった。
そこへ押し入った強盗たちを、彼女は卓上のナイフとフォークで次々と打ち倒していく。血の一滴も流さずに。
「店が、血で汚れるじゃないですか」
キッドはいま、小国・紺の王国の軍師だ。
病床の王に代わって国を背負う十五歳の王女ルルーに請われ、亡国寸前の国を立て直そうとしている。兵も、魔導士も、何もかもが足りない。
だから――
「ルイセ、一緒に来てくれ」
こうしてルイセは、軍師補佐になった。
数で勝る隣国・紫の王国。キッドがかつて仕えた緑の公国と、そこで王となった旧友ジャン。そして、四天王を擁して覇を唱える黒の帝国。
策を練り、備えても、敵はその上を行く。崩れた盤面を、軍師はどう覆すのか。
主人公ひとりが無双する物語ではない。軍師の知略とルイセの双剣、そして肩を並べる仲間たち、それぞれの見せ場が交差する戦記ファンタジー。
もっとも――理屈は通っているのに、言葉の意味をときどき取り違える元暗殺者と、恋にはとことん鈍い軍師。二人の距離が縮まるのは、どんな戦よりも難しいのかもしれない。
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