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モト香 2026/06/16 公開 2026/09/27 19:00 更新
「あはは。君、すごくいいね。おもしろーい」
その美青年の"面白い"という言葉には、おちょくりたいというニュアンスが含まれているように感じて仕方なかった。
そしてその青年は続けた。
「君は、きっといろんなものを見てきたんだね」
「えっ?」
唐突な言葉に、碧は戸惑った。
「…なんで、そんなこと…」
「目を見れば、わかるよ」
「!?」
土色と淡い紫の花弁が開く瞳が、いつの間にか自分の鼻先の15センチのところにあった。
「え、あっ…」
(やばい、絶対こいつあやかしだ…!じゃなければ、あれか!この場で俺の青春捧げることになるやつの方だったのか…!)
ちょっとしたパニックにどうしようもなく目を瞑った碧を揶揄う様に、滑らかな絹糸様の何かが碧の眉間の間を撫でた。
目を開けるとその人はすでに立ち上がって、碧の元から茶碗を取り片付け始めていた。
虚しく取り残された碧に向かって、その美形は微笑んだ。
「また、きてよ。いつでもいいからさ」
◇ ◇ ◇
勉強もスポーツもこなす主人公・多比良 碧(たいら あお)は何事にも本気で向き合うことせず、意味のない高校生活を送っていた。
そんな時、小学校の時に少しだけ過ごした街で出会った幼馴染と再会し、茶道部に誘われる。
碧を導いてくれる美青年・透や個性豊かな先輩、ライバルをはじめとした様々な人からの学びを通じてコンプレックスを乗り越え成長し、才能を開花させていく。お点前の美技のほか茶の世界のちょっとした知識の描写にも注目してほしい。
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