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津島 澪 2026/03/13 公開 2026/04/21 08:00 更新
美野は、源九郎義経のもとに嫁いだ。
それは鎌倉の意向による政略結婚であり、かつて謀反の疑いで滅んだ武将――上総介広常の血を引くという、隠された出自を背負う身でもあった。
夫である義経の心は、はじめから彼女には向けられていない。
館で孤独に生きる中、美野はひとりの男と出会う。
杉目小太郎行信――義経の影武者として生きる者だった。
名を持たず、光の当たらぬ場所に生き、いずれ主の身代わりとして死ぬことを宿命づけられた男。
その姿は、正室でありながら「妻」として生きることを許されない美野自身と、どこか重なっていた。
やがて二人は、互いの孤独を知り、心を通わせていく。
だが、奥州に落ち延びた義経を追う運命は、彼らに残酷な選択を迫る。
主を生かすため、影武者として死を選ぶ行信。
そして美野は――自らの意志で、その運命に寄り添う道を選ぶ。
これは、名を持たぬ者たちが、影として生き、影として死んでいく物語。
そして、たとえ命が尽きてもなお、消えることのない想いの物語。
この作品は、カクヨムでも公開しています。
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