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のぁ. 2026/10/05 公開 2026/10/05 17:20 更新
「――俺以外の男に、そんな顔して笑うなよ」
そう言った蓮の顔を見て、私は初めて思った。
……幼馴染の蓮って、こんな顔するんだ。
ずっと一緒だった。
家も近くて、家族同士も仲が良くて、幼稚園の頃から毎日のように隣にいた。
だから私は、蓮のことを誰よりもよく知っているつもりだった。
無口で、意地悪で、素直じゃなくて。
でも、困ったときは必ず助けてくれる。
そんな蓮との関係を、私はずっと「幼馴染」だと思っていた。
――高校1年の春までは。
同じ高校に進学して、変わらない毎日を送っていたある日。
私のクラスに、明るく人懐っこい転校生・悠真がやってくる。
「俺、この子のこと気になってるかも」
そんな悠真の言葉に、私は何も気づかず笑っていた。
けれど。
その光景を見ていた蓮は、明らかに機嫌が悪かった。
「……好きにすれば」
「怒ってる?」
「別に」
「じゃあ、なんでそんな顔してるの?」
「お前が鈍いだけ」
今まで何を言っても余裕だった蓮が、少しずつ変わっていく。
他の男子と話せば不機嫌になり、
誰かに誘われればさりげなく邪魔をして、
困っていれば誰より先に助けてくれる。
なのに、絶対に「嫉妬してる」とは認めない。
一方の私は、そんな蓮の態度に戸惑いながら、少しずつ気づき始める。
いつも隣にいるだけだったはずなのに。
名前を呼ばれるだけで、胸が騒ぐ。
目が合うだけで、なぜか恥ずかしい。
他の女の子と話していると、今度は私のほうが落ち着かなくなる。
――もしかして私。
「……蓮のこと、好きなの?」
これは、
「幼馴染だから」という言葉に隠れていた二人の想いが、
嫉妬とすれ違いを繰り返しながら、
少しずつ「恋」に変わっていく物語。
近すぎる二人が、
一番遠回りをして、互いの気持ちに気づくまで。
「早く付き合え」と言いたくなるほど焦れったい、幼馴染青春ラブストーリー。
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