異世界恋愛 完結・全10話

追放先の辺境で始めた薬草園が王都を救うなんて聞いてません ~元悪役令嬢の静かな逆転劇~

渚月(なづき) 2026/03/08 公開 2026/03/08 07:10 更新

あらすじ

断罪、と声が響いた瞬間、私の足元から音が消えた。

広間を埋める貴族たちの顔が、蝋燭の灯りに照らされてぼんやりと揺れている。誰もが正義の顔をしていた。誰一人、私の目を見ない。

王太子が宣告を読み上げる声は、どこか他人事のように平坦で、私はそのことに妙な安堵を覚えた。ああ、この人は最初から、私のことなど見ていなかったのだ。

隣に立つ金髪の女性が、目元をハンカチで押さえている。その指先に震えはない。

爵位剥奪。領地没収。辺境への追放。
言葉が並ぶたびに、周囲からため息が漏れる。

けれど私の心は、不思議なほど凪いでいた。

背筋を伸ばしたまま、広間を出る。石畳を踏む靴音だけが、長い廊下に反響した。振り返らない。振り返る理由が、もうここにはない。

馬車の窓から見えた王都の門が、ゆっくりと小さくなっていく。

懐に手を入れると、指先にひとつだけ残った薬草の種が触れた。前の世界で覚えた、あの薬草の種。

――辺境には、土がある。水がある。そして今の私には、誰にも奪えない知識がある。

唇の端が、わずかに持ち上がるのを感じた。

ポイント

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日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

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ブクマと評価ポイントの推移

10/30〜11/05(7日間)
ブクマ 21+0(7日間)
22 21 20 10/30 11/02 11/05
評価ポイント 216+0(7日間)
217 216 215 10/30 11/02 11/05

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
11/05 21 ±0 216 ±0
11/04 21 ±0 216 ±0
11/03 21 ±0 216 ±0
11/02 21 ±0 216 ±0
11/01 21 ±0 216 ±0
10/31 21 ±0 216 ±0
10/30 21 ±0 216 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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