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八咫烏葵 2026/11/03 公開 2026/11/03 10:10 更新
「妹君のほうが、聖女にふさわしい。光も強いし、見目もよい。あなたの光は、地味すぎる」
七年間、夜明け前の四時に王都の四つの門を回り、結界の魔法陣を灯してきた聖女クラリッサは、神官長にそう告げられた。
「承知いたしました。では、三日だけください。妹に、聖女の仕事を引き継ぎます」
三日三晩で書き上げた、二百枚の引き継ぎ書。神官長は三頁だけめくって、屑籠に放りこんだ。
クラリッサが神殿を去って、一日目。北の門の印が、ひとつずつ消えはじめた。
二日目。施療院の熱病の子どもたちが、吐いた。
三日目の夜。薬草園の小屋の扉を叩いたのは、屑籠の引き継ぎ書を一晩で読みきった、王太子の側近だった。
※約1万字の読み切り短編です。ざまぁは軽め、最後は甘く終わります。
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