ポイント
日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。
読者の反応
- ブクマ
- 11
- 感想
- 6
- レビュー
- 0
- 評価者数
- 5
- 平均評価
- 10.00
- 週間読者
- 213
ブクマと評価ポイントの推移
日別の値
「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。
総合ランキングの推移
順位を読み込んでいます…
迦月 メイ 2026/03/07 公開 2026/11/01 12:10 更新
「この竜殺しの悪魔め。絶対に赦さん」
――いつか僕は、灰の降る戦場でそう断罪される。
竜の死体の山の前で、血まみれの剣を握って。
でも、ちょっと待ってほしい。
僕はただの酪農家の息子。夢は実家の牧場を継ぐこと。
牛さんと戯れて、美味しいご飯を食べて暮らせれば、それで充分なんだ。
だから、卒業すれば職業を自由に選べる魔法学園へ入った。
目立たず学び、平凡に卒業して、牛たちの待つ故郷へ帰る。
その完璧な計画は、入学初日に崩れた。
押されたのは、忌まわしい【闇属性】の烙印。
おまけに、脳内に棲む六人の英雄たちは、今日も勝手に張り切っている。
頼りにはなる。なるんだけど……僕の平穏な学園生活は?
――せめて、ご飯くらいは美味しく食べたい。
得意なのは、闇魔法よりも《調理》の魔法。
僕だけが持つ、美味しいご飯を作るための力だ。
魔獣の硬い装甲には《冷水締め》。
仕留めたあとは、肉汁溢れる柔らかなステーキに。
せっかくいただく命なら、とびきり美味しく仕上げたい。
おかげで、腹ペコの令嬢も、僕を遠巻きにしていた同級生も、ひと口食べれば顔が変わる。
「美味しい」と喜ばれたら、こっちだって張り切ってしまう。
気づけば、一緒にご飯を食べたい人が、増えていた。
けれど、僕の体は、食べた命を栄養に変えるだけではなかった。
喰らうのは、その命が生きた「経験」。
草原を駆けた記憶も、母に抱かれた温もりも。
最期に味わった、逃げ場のない「死」までも。
飲み込んだはずなのに、終わらない。
他の命の一生が流れ込み、僕自身の感覚を塗り潰していく。
食べるほど、強くなる。
強くなるほど、食べた命が他人事ではいられなくなる。
――そして僕は知らなかった。
父さんが、自分の命を削って、この体質を封じていたことを。
それでも、今日のご飯は美味しい。
誰かと囲む食卓は、もっと。
この人たちと、明日も一緒に食べたい。
そんな願いを持つ少年が、どうして「竜殺しの悪魔」と呼ばれるに至るのか。
すべては、一皿の蹄煮込みから始まった。
――死ぬ命は巡る命。
泣いて、笑って、食べて強くなる。
グルメ×学園ダークファンタジー。
日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。
「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。
順位を読み込んでいます…