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八咫烏葵 2026/11/01 公開 2026/11/01 12:53 更新
「白い結婚で十分だろう。君に求めるのは、伯爵家の切り盛りだけだ」
婚礼の夜、寝室の扉の前で、夫のエドモンはそう言って扉を閉めた。
ブレア伯爵家の借金は、金貨三千枚。港町の商人だった祖父に数を習ったロレーヌは、屋敷の小さな穴を一つずつふさいでいった。三年後、借金は消え、金庫には金貨八百枚の黒字が残った。
なのに夫は、屋敷に連れてきた歌い手のドレスに、その金を注ぎこむ。
三年目の満了の日。ロレーヌは、三年分の収支の書類を木箱に詰めて、王宮の法務院に離縁の届けを出しに行った。
書類を二時間かけて一枚残らず読んだ財務卿シュタイン公爵は、言った。
「誰に習った。一か所も、間違いがない」
※約1万字の読み切り短編です。ざまぁは軽め、最後は甘く終わります。
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