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イサクララツカ 2026/02/26 公開 2026/03/24 22:11 更新
――弁慶は、女だった。
治承年間、熊野。
熊野別当の娘・静は、武蔵の豪傑・和田義慶と結ばれ、息子・弁丸とともに穏やかな日々を送っていた。
だが、京での偶発的な衝突により、
平家の兵二百に囲まれ、夫は矢で蜂の巣にされ、幼子は斬られ、静は流産する。
すべてを奪われた女は、比叡山に入り髪を落とす。
名を捨て、母を捨て、涙を捨て――
尼僧となった静は、自らをこう名乗った。
武蔵坊弁慶。
千日回峰行で肉体を鍛え上げ、薙刀を振るい、
京・五条大橋で刀千本供養を始める鬼面の女武者。
そこで出会ったのは、
殺された息子に瓜二つの少年――牛若丸。
母を失い、子を失った二人は、
やがて主従となり、源平合戦の渦へと身を投じていく。
屋島、壇之浦――
だが弁慶の戦いは、平家打倒だけではない。
それは、
「奪われた母の尊厳」を取り戻す戦い。
これは、歴史の影に埋もれた
“もう一つの弁慶伝説”
愛と復讐、母性と剛力。
七尺の絶世の美女が、鬼面の下に涙を隠し、
日本史を塗り替える。
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