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SYO 2026/11/01 公開 2026/11/01 12:40 更新
「君の名前は要らないよ。女の名前が載ると、中身まで軽く見られる」
伯爵令嬢ノエミは五年間、婚約者ジェラールの報告書も論文も、王太子に出す治水計画書も、すべて代わりに書いてきた。最後に署名するのは、いつもジェラールだった。
ところが王太子の誕生祝いの夜会で、ジェラールは華やかな男爵令嬢を連れて婚約破棄を宣言する。「君の名前なんて、僕の人生にはもう要らないんだ」
かしこまりました。では、そのように。
紙の上に、彼女の名前は一つもない。けれど、紙の外には――彼女の名前にかけて交わされた約束が、いくつも残っていた。
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