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東曌 2026/10/22 公開 2026/10/26 08:37 更新
『阿倍仲麻呂、叡智への航海』
日本の本を読み尽くした青年がいた。
阿倍仲麻呂、十九歳。
彼の胸を満たしていたのは、名誉でも出世でもない。まだ知らないことを知りたい。
見たことのない世界を見たい。
そして、そこにある本を読みたい
ただ、それだけだった。
時は奈良時代。
仲麻呂は、遣唐使の一員として、海の向こうに広がる大唐帝国へ旅立つことになる。
父に「必ず、帰ってきます」と約束した青年は、まだ知らない。どれほど広大な世界が待っているのか。
そして、その海が、どれほど遠い帰り道になるのかを。
唐の都・長安。
世界中から人々が集まり、学問も詩も政治も、途方もない熱気の中で動いていた時代。
仲麻呂はそこで何を学び、誰と出会い、何を成し遂げるのか。
やがて彼は、異国の官僚として唐の歴史のただ中を生きる。
栄華を誇る帝国が揺らぎ、戦乱が時代を変えていく中で、彼自身の人生もまた、大きく翻弄されていく。
そして、いつか日本へ帰ろうとしたとき――。
これは、最初から悲劇の主人公だった男の物語ではない。
知りたい。
読みたい。
自分の目で確かめたい。
そんな好奇心いっぱいの青年が、世界を舞台に駆け抜けた一生の物語である。
『海の向こうには、まだ読んだことのない本がある。』
その一心で旅立った青年は、いったい何を手に入れ、何を故郷に残していったのだろうか。
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