ヒューマンドラマ 短編

私のSK-IIを足に塗った家政婦、今度は「うちのニート息子と結婚して」と言い出した

熾星 2026/09/21 公開 2026/09/21 16:00 更新

あらすじ

月四十万円で、住み込みの家政婦を雇った。

 それでも給料が安いと不満をこぼしていた彼女は、私が買ったばかりの三万円近いSK-IIを、勝手に自分の足へ塗っていた。しかも現場を見つかっても、悪びれる様子すらなかった。

「化粧水一本くらいでしょ? 顔なんて一つしかないのに、そんな高いの使う必要ある?」

 娘のために買ってきた贈答用の佐藤錦も、気づけば半分以上なくなっていた。彼女は指についた果汁を舐め、そのまままた箱へ手を伸ばした。

「こんな高いさくらんぼ、今まで食べたことないんだから。何個か多く食べたっていいじゃない」

 高校三年生の娘・七海は、大学受験を控えた大事な時期だった。

 ところが高橋さんは、私に隠れて七海へLINEを送り、予備校を休んで早く帰ってこいと言っていた。床を拭かせ、トイレを掃除させ、自分は私のソファに寝転がって果物を食べていた。

 それでも私は、母の顔を立てて何度も目をつぶった。

 そんな彼女が、ある日、自分の息子を家へ連れてきた。

 高橋拓也。

 初対面だというのに、彼の目は私と部屋と窓の外の車を順番に眺めていた。人を見るというより、値踏みしているような目だった。

「沙耶さんくらいの条件なら、バツイチで子どもがいても、まあ俺は気にしないかな」

 それから何食わぬ顔でリビングを見回した。

「もし結婚するなら、この家は俺名義にしたほうがいいよね。お金の管理も俺がやったほうがいいし。そうだ、ポルシェ買ったんでしょ? あれ、俺が乗ればいいじゃん」

 この親子は、図々しいにもほどがある。

 その程度にしか思っていなかった。

 その夜までは。

 二人が私のダイニングで、私を抵抗できない状態にする方法を相談しているのを聞いた。

 証拠を握って黙らせること。

 預金や家の名義を調べること。

 そして、七海のことまで。

 ドアの向こうで話を聞きながら、握った指先が冷えていった。

 この二人が狙っていたのは、食べ物でも化粧品でも、月四十万円の仕事でもなかった。

ポイント

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日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

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ブクマと評価ポイントの推移

10/24〜10/30(7日間)
ブクマ 1+0(7日間)
2 1 0 10/24 10/27 10/30
評価ポイント 112+2(7日間)
112 110 10/24 10/27 10/30

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
10/30 1 ±0 112 ±0
10/29 1 ±0 112 ±0
10/28 1 ±0 112 ±0
10/27 1 ±0 112 ±0
10/26 1 ±0 112 +2
10/25 1 ±0 110 ±0
10/24 1 ±0 110 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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