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桐生彩音 2023/04/28 公開 2023/06/01 00:00 更新
バー『Alter』の雇われ店長兼バーテンダー、抽冬淳は紆余曲折な人生を経てすでに三十代。どこぞの地方都市にある廃ビルの地下フロアで、今日も今日とてシェイカーを振る……わけではなかった。趣味の家庭菜園で育てた収穫物でお通しを作り置きしては、ある意味同業の常連客を相手取る日々。変わったことと言えば、当時まともに交流していなかった中学のクラスメイト達が、常連として通うようになったこと位だろう。
別に同窓会等で再会し、旧交を温めた結果とかでは断じてない。単に副業の都合で、偶々顔を合わせただけに過ぎない。だからこそ、淳をはじめとした常連達は思う。
『社会の裏側も、存外狭い』
と。
雇われ店長兼バーテンダーこと抽冬は、オーナーである『―――』の受付担当だった。おまけに『バーの利益は求めていない』からと、腕の方は期待されていない。
なのでこの話は、世界で唯一『バーテン』の蔑称で呼ばれても不自然ではない男と、常連をはじめとした周囲の人間達が駄弁るだけの物語である。
『この物語はフィクションであり、登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在するものとは一切関係ありません。また、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
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