歴史 完結・全8話

蒼天の雲(長編版)

せんのあすむ 2018/07/16 公開 2018/07/23 08:00 更新

あらすじ

 永正十三年七月十日の暮れ、志保は伊勢軍と三浦軍が最後の戦いに入った陣を離れた。

 住まいである小田原城への道を、荒木兵庫頭と共に馬で駆けること四日、しかし彼女は、そのまま城へは戻らなかったのである。

(たれかに、許して欲しい)

 祖父の側から離れてみると、ただ無性に「許し」が欲しくなる。兵庫頭のみを無理に小田原城へ行かせ、救いを求めて彼女は箱根権現へ馬を走らせた。その背から滑り降りるように地面へ力なく降り立ち、よろめくように石段を上った華奢な両足は、ようやく「身近な人間が死んだ」ということが実感として湧き上がってきて、

「しょう様」

「八重…。市右衛門は、のう」

境内の木陰に佇んでいた乳姉妹の姿に直面して限りなく震えている。普段ならば当たり前のようにしてその隣にあったもう一人の友の影は、今はもう無いのだ。

 周りの木々から、蝉の大合唱が聞こえる中、額からはじっとりと汗が滲み出ているのに、手足の先はしんしんと冷えていく。

「お味方の勝利は間違いないとか…おめでとう存じまする」

乳姉妹が慇懃に地面に膝を着き、頭を下げるのを見ながら、志保はただその両手を握り締めることしか出来なかった。 彼女は『北条』二代目、新九郎氏綱の娘であり、永正元年(一五0四)小田原で生まれた。同腹の弟に『三代目』千代丸(後の氏康)がいる。後に古河公方足利晴氏の継室(後添い)となり、これより三十年の後、僧門に入って芳春院と号するに至る。


     

     

こちらも、亡くなった母がしたためていた小説です。

こちらにも掲載しています。

→https://www.alphapolis.co.jp/novel/452360109/934175676

     
     
母が管理していたサイトです。アカウントもパスワードもメールアドレスも紛失してしまって放置状態ですが…… 
→ http://moment2009.ojaru.jp/index.html

ポイント

総合ポイント 30
日間ポイント 0
日間ランクイン [未取得]
最高順位 [未取得]
評価ポイント 1446.7% ブクマ×2 1653.3%

日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

読者の反応

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ブクマと評価ポイントの推移

10/30〜11/05(7日間)
ブクマ 8+0(7日間)
9 8 7 10/30 11/02 11/05
評価ポイント 14+0(7日間)
15 14 13 10/30 11/02 11/05

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
11/05 8 ±0 14 ±0
11/04 8 ±0 14 ±0
11/03 8 ±0 14 ±0
11/02 8 ±0 14 ±0
11/01 8 ±0 14 ±0
10/31 8 ±0 14 ±0
10/30 8 ±0 14 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

順位を読み込んでいます…