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言秋 2026/05/30 公開 2026/06/20 19:00 更新
後宮の華やかさから外れた一角に、倭国との通訳を司る「通倭司」がある。
倭国から差し出された人質の少女・小文はそこに勤めているが、その微妙な立場のため、任せられるのは墨磨りのような雑事のみ。とはいえ、彼女自身はそのような日々を決して嫌ってはいなかった。
ある日、通倭司に一通の公書が届く。
倭国から皇帝宛てに送られてきたその書には「送終」――弔いを意味する、不穏な言葉が書かれていた。
そのまま伝えれば皇帝の怒りを招き、戦の火種になりかねない。
しかし言葉を和らげれば、それは一国の意思を訳者が書き換えることになる。
倭国との戦になれば人質である小文の命の保証はない。そんな中彼女はその言葉に違和感を覚えていた。それは誤訳か、あるいは意図的に仕組まれた罠か。
誤訳一つで国一つが滅びかねない陰謀が渦巻く情勢の中、この件をきっかけとして小文は後宮を揺るがす大事件へと巻き込まれていく。
何も持たぬ少女は言葉一つで己の運命に抗う。後宮を舞台にした、言葉が運命を左右する翻訳ミステリ。
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