ポイント
日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。
読者の反応
- ブクマ
- 17
- 感想
- 0
- レビュー
- 0
- 評価者数
- 72
- 平均評価
- 7.86
- 週間読者
- 313
ブクマと評価ポイントの推移
日別の値
「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。
総合ランキングの推移
順位を読み込んでいます…
熾星 2026/09/09 公開 2026/09/09 18:24 更新
青嶺大学の研究室の送別会で、今年、研究室から一人だけ選ばれる博士後期課程の推薦候補が発表された。
怜司が口にしたのは、私ではなく小野寺美咲の名前だった。
「今年、研究室から推薦選抜に出すのは小野寺にする」
すぐに周囲から声が上がった。
「やっぱり小野寺か。榊原先生、最近ずっと面倒見てましたもんね」
私は何も言わなかった。
送別会が終わりかけた頃、美咲が立ち上がった拍子に熱いスープを倒した。
四十日以上、何度も書き込みを重ねてきた修士論文の原稿は一瞬で濡れ、手書きの修正やメモが滲んでいく。
私が手を伸ばすより先に、怜司は美咲の手を取った。
「火傷してないか?」
美咲は目を潤ませて首を振った。
「大丈夫です……ごめんなさい。本当にわざとじゃなくて」
怜司は彼女の手を確認してから、ようやく私の論文に目を向けた。
「印刷し直せばいいだろ」
スープを吸った紙の束を数秒見つめ、私はバッグを手に取った。
「私、先に帰ります」
怜司が眉を寄せる。
「朝倉?」
足は止めなかった。
二年間続けてきた秘密の恋も、ここまででいい。
そう決めて、店を出た。
日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。
「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。
順位を読み込んでいます…