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山口康弘 2022/12/25 公開 2022/12/25 09:23 更新
主人公は、小学三年生の春野りょうた。大の昆虫好きである彼は、母親に殺されそうになったゴキブリを助け、学校に連れて行くところから物語が始まります。給食の時間、こっそりゴキブリにエサをやろうとしたところを、クラスメイトに見つかって、大騒ぎに。担任の片山ひとみ先生から強く叱られ、虫の気持ちになって反省文を書いてくるよう言い渡されます。
りょうたの幼馴染の夏川ケイは、りょうたを気遣い、陰に日向に、彼を励ます存在です。そんなケイのアドバイスと、助けたゴキブリの霊力を借り、りょうたは、ハンミョウ、アブラゼミ、チャバネゴキブリと、3つの昆虫の生を体験することになります。
最初に体験したハンミョウの生では、寄生蜂に、身体に卵を産み付けられて、成虫になれないまま、苦悶の中で生を終えます。しかし、最後の時、りょうたは、自分の身体を喰いつくした蜂の子たちの巣立ちを見送りながら、まるで自分が産み育てた子供の旅立ちに立ち会っているような、そんな不思議な感慨を得ます。
次のアブラゼミの生で、成虫になる夢を果たしたものの、ライバルゼミに、2度もチャンスを奪われて、恋を成就させられないまま燃え尽きていきます。
そして最後のチャバネゴキブリの生で、りょうたは、子、孫、ひ孫、やしゃごに、やしゃごの子のらいそん、その子のこんそんと、6世代の子孫に囲まれ、ビッグファザーとしての生を謳歌します。
テーマは、「生ききることの大切さ」。
自分に与えられた生。それが、どんなに辛く、悲しいものだとしても、決してあきらめ
ることなく、最後まで必死に生きる。そんな昆虫(りょうた)の、賢明な姿を通し、生きる勇気と感動を、少しでも子供たちに伝えれたらと、リアル寓話の形式を借りて書きました。
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