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平生 2021/05/08 公開 2021/05/08 18:14 更新
むかしむかし、あるところに一人の少女がいました。ある日、街にお母さんと出かけている時にこんなことを言いました。
「どうしてあの人はあんなことをしているの?」
それを聞いたお母さんは大いに慌てて少女の口を塞いで声を押し殺しながらも苛立ちが伝わるような声でこう言いました。
「あれを見てはいけません。ほら、早く行くよ!」
少女はお母さんに腕を引かれながらもずっと指を差したまま聞き続けました。少女が指を差したのは頬が痩せこけ、薄汚れた服を着た男性でした。その男は道端で正座をし、両手を前に出しておりました。男の人は貧しく、その日食べるものにも困るほどでした。
少女も成長し、背丈も伸び、美しさもにも磨きがかかっています。少女は大きくになるにつれて様々なことを学びました。その一つに、貧しい男のことがあります。少女が暮らす国には身分制度があり、王様や貴族と言ったものがあります。その中には男のような非人と言うものもあります。非人は人として認められず、満足する食事が出来ないような身分でそれ以外の身分の人から蔑まれるようなものでした。
それを知った少女はなんとかしたいと思って過ごしておりました。少女はお母さんやお父さんに非人をなくす方法を聞きましたが二人は少女に怒るだけで少女の質問には答えようとしませんでした。なので、少女は国を治めている王様に言って変えてもらおうと思いました。
ある日、王様が国民の前に姿を現すことがありました。その時、王様に向かって少女は大きな声でこう言いました。
「王様。なぜこの国には非人がいるのですか?」
「……」
王様は少女の問いに答えることが出来ませんでした。普段ならこのまま無視をして演説を続けるのですが、王様には非人の話をしたくないわけがありました。なので、王様は演説を続けることができず黙ってしまったのです。
「私は非人の人たちが日々苦しそうにしているのをこの目で見ています。私は彼らにも笑って過ごせるようになって欲しいです。なので、非人をなくしてほしいです」
「……分かった。皆のもの! 今日から非人という制度は廃止じゃ!」
王様はそう叫ぶと民衆は歓喜の声を上げました。他の人も非人をなくして欲しかったのですが勇気を振り絞ることができなかったのです。
こうして、道端で非人が物乞いをする姿を見ることはなくなりましたとさ。
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