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他力本願寺 2026/06/16 公開 2026/06/16 19:10 更新
結婚式前夜、没落伯爵令嬢リリアーナは前世を思い出した。
ここは、前世で遊んでいた乙女ゲームの世界。
そして自分は、三歳の義息子ノアを虐げ、やがて魔王化した彼に殺される悪役継母だった。
だが、前世のリリアーナは保育士。
しかもノアは、ゲーム時代から人生を捧げた最推しである。
「三歳の推しを、合法的に、毎日お世話できる……?」
翌日、冷血公爵アレクシスから「君を愛することはない。ただの飾りだ」と告げられたリリアーナは、満面の笑みで答えた。
「はい、喜んで!」
夫に愛されないなら、義息子を愛でる時間が増えるだけ。
そう思ってノアの部屋へ向かったリリアーナが見たのは、寒い部屋で震え、使用人に怯える小さな男の子だった。
温かいお風呂。
甘いミルク粥。
優しい子守唄。
初めて愛されたノアは、リリアーナを「おかあさま」と呼ぶ。
しかし王宮は、ノアの強大な魔力を危険視し、彼を「呪いの子」として隔離しようと動き出す。
恐怖で魔力を暴走させるノアを前に、誰もが叫んだ。
「やはり魔王だ」と。
けれどリリアーナだけは、黒い魔力の中へ飛び込む。
「あなたは魔王なんかじゃありません。私の、大切な息子です」
これは、死亡フラグ持ちの悪役継母が、三歳の義息子を全力で愛した結果、魔王化ルートを粉砕し、冷血公爵からも重すぎる溺愛を向けられるようになるお話。
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