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リンダ 2026/07/12 公開 2026/08/20 22:04 更新
2000年、日本商事のニューヨーク駐在員・秋田一平は、妻のさくら、娘の朝陽と梓、息子の北斗とともに異国での生活を始める。子どもたちは現地の学校で友人をつくり、一平は世界貿易センターで日本産食品の輸出入業務に励み、さくらも日本語講師として働く。家族は少しずつニューヨークに根を下ろしていった。
しかし2001年9月11日、世界同時多発テロが発生する。一平は世界貿易センターへ入る直前に航空機の激突に巻き込まれ、全身に重傷を負う。二日間に及ぶ手術で命は助かるが、家族の心には深い傷が残った。朝陽は飛行機の音に怯え、梓は戸締まりや連絡を何度も確認し、北斗は大好きだった飛行機の図鑑を開けなくなる。さくらも極度の疲労とストレスで倒れてしまう。
一平は、わずか五分のバスの遅れで自分だけが生き残り、同僚たちが帰らなかった現実に苦しむ。それでも家族や友人、同じ事件で母が負傷した少女ジェシカとの交流に支えられ、少しずつ回復していく。北斗とジェシカの大阪弁まじりの掛け合いは、家族と周囲に笑いを取り戻していった。
秋田家は、テロへの怒りを抱えながらも、イスラム教徒全体を憎むことは選ばなかった。学校や地域で対話の場をつくり、差別で仕事を失った人々の支援を続ける。一平も体験をインターネットで発信し、「忘れない。でも、憎しみだけで覚えない」と訴える。
二十年後、朝陽はノアと、梓はマーカスと結婚。北斗とジェシカは全米で人気のコメディアンとなり、戦争孤児の支援にも携わる。傷は消えない。それでも家族は同じ空を見上げ、世界から戦争がなくなることを願う。
あの日、空は裂けた。
それでも、空は青かった。
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