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雉白書屋 2026/10/26 公開 2026/10/26 11:00 更新
休日の昼間。特にやることもなく部屋で寝転び、スマートフォンの画面をぼんやり眺めていたときだった。
ドアを叩く音が聞こえ、おれは上体を起こし、玄関のほうへ目を向けた。
すると、直後にまたノックの音がした。
どうやら空耳ではなかったらしい。しかし、いくらボロアパートとはいえ、インターホンがついているのにわざわざドアを叩くとは。
別に警察や借金取りが来たわけでもないだろうが、あまり気分のいいものではない。ドアを叩く奴はだいたい気が強いのだ。
そんなことを考えながら顔をしかめていると、再びノックの音が響いた。先ほどよりも少し強く、早くしろと言わんばかりの叩き方だった。
居留守を使うのも無理そうだし、いつまでも居座られても落ち着かない。
おれはしぶしぶ立ち上がり、玄関へ向かった。
「うおっ」
ドアを開けた瞬間、おれは思わず声を漏らした。そこに立っていたのは、着物姿の男だった。短く刈られた黒髪に、口元には立派な髭を生やしている。その髭の両端は指先で巻き上げたようにくるんと曲がっており、足元に目をやれば、なんと草履を履いていた。
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