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指猿キササゲ 2013/04/22 公開 2013/05/04 00:00 更新
走るというのは爽快だ。肌を撫でる風、足の裏から感じる地面の感触、足全体で感じる脚の躍動、身体で感じる体の揺れ動き。頭上ではねる頭髪、そして自分の脚の動きの速度に比例して流れていく視界。それらは全て、走ることだけで感じ取れる感覚だ。まるで自らの力で、世界のどこまでも行けるような気さえしてしまう――
国枝藍の視界には、何かをしたいという願望を持てば、『道』が見える。それは辿りさえすらば、必ずその願望が満たされるという『道』。それで彼女は『走る』ことで、日々快楽に浸っていた。 しかし日常の裏では、学校内殺人事件が起きていた。一月には中学校で、そして次第に藍の高校でも発生する。藍は薄々気付いていた。犯人は、自分と同じで動機で行動する同類だと。
藍は藤堂という先輩と出会い、そして告げられる。犯人は、おそらく藍と同学年の誰かだと。そしてそれを止められるのは、犯人と同類である藍だけだと。 動機と目的。趣味と責任。二つの命題に苦悩しながら、藍は町の中で起こる殺人事件の犯人を止めるべく、走る。
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