ホラー 連載中・全39話

国罪 ――地図に載らない罪と、静かな狂気

I-kara 2025/12/30 公開 2026/02/03 20:00 更新

あらすじ

近代産業史を専門とする大学教授・高島は、学生が見せた一枚のスクリーンショットをきっかけに、「検索できない島」の存在を知る。

長崎県北東沖に実在したとされるその島は、大正期に金鉱の発見によって急速に発展し、劇場や学校を備えた共同体を築いていた。
しかし戦後、島は地図から消え、記録は削除されたのではなく、表記の揺れやリンク切れによって“参照できない状態”に置かれていた。

調査を進めるうちに、高島自身の現実にも異変が起こる。
大学の講義担当表示から名前が消え、研究者ページは「存在しません」と表示される。
連絡は遮断されるが、否定も命令もない。
あるのは「念のため」「安全確認」といった丁寧で正しい言葉だけだった。
抗議する入口すら見つからないまま、接続だけが静かに断たれていく。

一方、資料が語る島の過去は、金鉱によって人が戻り、劇場「金栄座」を中心に名前で呼び合う幸福な時代だった。
島は合理的に発展し、人々は選択肢と未来を得る。
しかし人が増え、効率と安全を理由に番号が導入されると、呼び方の順序は変わり、名前を確かめる時間は削られていく。
管理は進み、説明は整い、正しい理由のもとで島は静かに運用されていった。

高島は、島の運用と自分に降りかかる出来事の酷似に気づく。
削除ではなく停止。
否定ではなく配慮。
正しさが積み重なるほど、誰も悪者にならないまま、誰かが消える。

研究費の期限と生活の重圧の中で、高島は「成果」を理由に島の真相へ踏み込む選択を正当化していく。
しかしそれは、かつて島を扱ったのと同じ運用への加担でもあった。

本作は、説明が与えられるほど人が静かになり、納得が感情として完成したとき、抵抗が失われる過程を冷ややかに描きながら、名前と存在が消えていく社会の仕組みを突きつける。

………………………………………………………………………………………………………………………
※本作は完稿済み(全39話)です。
※毎日20時に1話ずつ更新されます。

ポイント

総合ポイント 10
日間ポイント 0
日間ランクイン [未取得]
最高順位 [未取得]
評価ポイント 10100% ブクマ×2 00%

日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

読者の反応

ブクマ
0
感想
0
レビュー
0
評価者数
1
平均評価
10.00
週間読者
0

ブクマと評価ポイントの推移

10/25〜10/31(7日間)
ブクマ 0+0(7日間)
1 0 10/25 10/28 10/31
評価ポイント 10+0(7日間)
11 10 9 10/25 10/28 10/31

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
10/31 0 ±0 10 ±0
10/30 0 ±0 10 ±0
10/29 0 ±0 10 ±0
10/28 0 ±0 10 ±0
10/27 0 ±0 10 ±0
10/26 0 ±0 10 ±0
10/25 0 ±0 10 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

順位を読み込んでいます…