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嘴廣コウ 2021/04/19 公開 2021/07/13 17:14 更新
巫音(みこと)は、全身水浸しで神楽殿に立っていた。
身に着けているのは、薄い生地の白い着物一枚きりで、それも水に濡れ肌に貼り付き、躰のシルエットをくっきりと浮かび上がらせている。
すらっとした長い脚、細身ながらも体つきがよく、抜けるほど白く艶のある肌。
釣り灯籠の炎が揺らめいて、巫音をより一層妖艶に照らし出す――。
左爪が棗(なつめ)の右肩に浅く突き刺さる。
棗は、腕ごと引き千切られそうなところを、何とか凌いだ。
右爪は、巫音の頭を輪切りにする勢いだったが、棗の左腕が辛うじて抑え込んでいた。
棗の右腕が掻き切られれば、自由を取り戻した左爪が、猛威を振るうことになるだろうことは、容易に予想できた――。
葛乃葉が呆れながら言う。「怪異の姿形に惑わされてはならぬぞ。よくよく覚えておくのじゃ。人の想像が具現化して生み出されるのが怪異であり、人が望むからこそ怪異は、望むがままの在り様で現出するのだということを……」
折り鶴の呪符を操る神織神社の巫女、織紙巫音(みこと)。
厄介ごとにはかかわらず、ほどほどに学生生活を楽しむはずだった青葉棗(なつめ)。
護童(ごどう)学園高校で次々に起こる不可解な出来事に、巫音の呪術と棗の呪力?で立ち向かう。
怪しく、不気味で、少しエッチ?
ちょっと天然な巫音と変わりない日常を愛する棗が繰り広げる学園怪異譚。
※カクヨムにも掲載しています。
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