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霜月 誠 2025/12/22 公開 2026/02/04 06:56 更新
昭和60年代、四方を急峻な山々に囲まれ、時代から取り残されたような「根守村(ねもりむら)」。東京から移り住んで3年になる中学3年生の**莉桜(りお)**は、この村を覆う粘着質な湿気と、よそ者を排除しようとする無言の視線に息を詰まらせていた。
根守村には、古くからの異様な信仰が根付いている。 村人たちは皆、手首に『根緒(ねお)』と呼ばれる樹皮のような不気味な組紐を巻き、村の最奥にそびえる忌み山の巨木『虚空様(ウロサマ)』を畏怖し、崇めていた。村を統治する地主の娘・御子柴麗華は、「心は一つ、根は一つ」と説き、相互監視の同調圧力で村の秩序を維持している。
『根緒』を持たざる異分子として、次第に精神を摩耗させていく莉桜。 唯一の心の拠り所は、神社の跡取りとして過酷な宿命を背負う双子の兄妹・**慧(けい)と沙夜(さや)**だった。しかし、彼らもまた、村という巨大な生き物の「根」に絡め取られている。
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