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だんご 2026/04/08 公開 2026/04/15 22:30 更新
「死にたくない」と、彼女は初めて笑った
空の上にしか、人が住める場所はない。
天空都市「エデン」——かつて地上を追われた人類が最後に辿り着いた12の浮島。人々はそれを”楽園”と呼んだ。けれどその楽園には地面がない。落ちれば終わり。崩れれば、どこにも逃げられない。
地上を埋め尽くす悪魔たちは、空を目指す。理由はただ一つ、憎いから。言葉は通じない。交渉もできない。ただの衝動が、園を一つ、また一つと崩落させていく。話し合いで解決する世界なら、誰もこんな場所に逃げていない。
エルドは第7の園の兵士だ。英雄でも、選ばれた存在でもない。5歳で家族を全て失い、他に生きる道がなかっただけの男。死が怖くない。生きたいとも思わない。ただ命令通りに体を動かす、空っぽの兵士。
防衛戦の最中、圧倒的な力で悪魔を薙ぎ払う少女と出会う。白髪の少女、アスカ。彼女の腕がちぎれたとき、中から覗いたのは血ではなく金属だった。世間が「最強の兵器」と呼ぶもの——その正体は、人の形をした機械兵だった。
「私は平気ですから」と、アスカは笑う。守るために死ぬ。それが自分の存在理由だと、当たり前のように。
空っぽの兵士と、平気なふりをした機械の少女。どちらも自分の命を軽く扱っていた。けれど理由は真逆だった。
仲間との日常を知り、恋を知り、アスカは少しずつ変わっていく。「死にたくない」と思えるようになっていく。エルドもまた、初めて「守りたい」と願うようになる。
だがこの世界に、逃げ場はない。空の上で、落ちるか守るかしかないように——二人の結末にも、それしかなかった
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