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雨宮かなめ 2026/10/13 公開 2026/10/22 23:10 更新
俺の結婚式に、元彼女が来た。
しかも、笑顔で祝ってくれた。
――彼女を探すために、このゲームを始めたはずなのに。
二〇〇三年、六月。高校二年生のなつきは、彼女のエリから二週間も返事をもらえていなかった。
女友達のミナから聞いた居場所は、オンラインゲーム『ラグナロクオンライン』の中。
彼氏なのに、彼女の「相方」にはなれない。
回復役になって、強くなれば、またエリと一緒に遊べる。
そう思って始めたゲームで、彼女の隣には俺よりずっと強い男がいた。
現実では俺の彼女なのに、ログインすると、彼女には俺より先に約束した相手がいる。
一方、ミナは毎晩ログインして俺を待っている。
後輩には「先輩がいると安心」と慕われる。
「もっと電話しようよ」と言われても、俺は「ここで話してるじゃん」と返して、またエリの話をする。
ギルドを作り、誰かと組み、恋をして、ゲームの中で結婚する。
贈り物のために金を稼いでいたはずが、いつの間にか、その相手を待たせている。
チャットならよく喋れる回復役が、ゲームと現実の両方で恋愛をこじらせていく、可笑しくて、ときどき苦い青春小説。
※二〇〇〇年代のオンラインゲーム体験をもとに、人物・会話・出来事を再構成したフィクションです。
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