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鳥心太郎 2026/07/29 公開 2026/08/05 09:56 更新
他人の描いた図面を直し、上司の指示どおりに寸法を三十ミリ動かす。そんな十年を過ごした男が、いわゆる「転生トラック」に轢かれた。
歩きながら異世界を夢想するのが癖だった。妄想の中の彼は、傾いた橋の脚を掘り返し、自分で見つけた課題を自分のやり方で解いている。
才能さえあれば。機会さえあれば。女神様が、特別な力でもくれれば。
次に目を覚ますと、そこは見覚えのない白い部屋だった。
その空間で、女神を自称する何者かから「想像した現象を、そのまま実現する力」――すなわち「魔法」を与えられ、石材商を営む裕福な家の少年として生まれ直す。
今度こそ、自分の人生を始められる。
今度こそ、自分の力で現実を変えられる。
空に浮かぶ、二つの月。
おとぎ話が「魔法」と呼び、国が「十力(じゅうりき)」と数えるもの。
才能を与えられなかった者たち。
エルフ、ドワーフ、ゴブリン、魔族。
そして、都合の悪い質問には答えない、女神のような何か。
その先で、世界そのものの仕組みへ辿り着くことになる。
――転生とは、何だろう。
――魔法とは、何だろう。
――才能とは、何だろう。
そんな問いから生まれた物語。
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