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花守りつ 2026/05/21 公開 2026/06/03 07:01 更新
公爵家の後妻エリシアは、病弱な義娘リーナのために、南向きの「冬の部屋」を守り続けていた。暖炉の薪も薬代も、屋敷が渋る分は自分の私財で補ってきた。
ところが親族と客人を集めた晩餐で、夫ジェラルドは新しい寵姫の母を泊めるため、明日までにその部屋を明け渡せと命じる。エリシアは泣きつかない。診断書、薬代台帳、部屋の鍵、そしてリーナの手を取り、公爵家を出た。
雪の街道で二人を止めたのは、冷淡で知られる白狼の辺境伯カイ。彼は「慈悲ではなく証拠で動く」と告げ、保護契約と監査の条件を差し出す。診療記録と帳簿を照合すると、公爵家の一族が療養費を横領し、薄い薬と寒い部屋でリーナの病状を悪化させていた事実が明らかになっていく。
妻の座も、母役の座も返したエリシアが、義娘とともに温かな部屋を取り戻し、証拠を重んじる辺境伯の静かな愛に支えられながら、自分の名前で新しい家族と仕事を築いていく逆転恋愛譚。
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