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三上康明 2020/03/23 公開 2021/10/03 18:00 更新
「人には等しく、8枠の天賦《スキル》ホルダーがある。【腕力強化】のような1枠ならよいが、レアなスキルは4枠や5枠、あるいは8枠すべてを使ってしまうでのう」
天賦珠玉《スキルオーブ》が発掘されるオーブ鉱山で、ヒンガ老人は僕にそう語った。
だけど僕ら「奴隷」は契約魔術でスキルを取得できず、奴隷に未来なんてものはなかった。
それは運命の日。
鉱山を所有する貴族——つまり僕らの「主」がオーブ鉱山に視察に来た。
地震によって崩落する天井。貴族の脳天に直撃する岩塊。
貴族の死。
瞬間、僕らの契約魔術が消える。
目端の利いた奴隷は走った。スキルオーブが格納されている倉庫に。そしてレアなスキルを取り込むと、目を疑うような能力や魔法によって警備兵を薙ぎ倒し、鉱山から飛び出していく。
暴動だ。
出遅れた僕に拾えるオーブはなかった
——終わった。僕はまた奴隷戻りだ。
絶望したときに見たのは、「あり得ないスキルオーブ」だった。
ホルダー「10枠」を使う【森羅万象】《ワールド・ルーラー》。
使える人間がいないことから研究者以外、興味を持たれない、規格外のスキルオーブ。
だけれど僕は、【森羅万象】を取り込むことができた——なぜか?
それは僕が「転生者」だったから。
僕には一般人の8枠+8枠、「合計16枠」ものスキルホルダーがあったから。
鉱山は包囲され、出口は1か所。僕の手には謎のスキル【森羅万象】。
さあ、どうする——。
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