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イチジク浣腸 2025/07/21 公開 2025/07/21 17:59 更新
帝国の北方、首都から遠く離れた寒村。
帳簿係の「私」は、海の実情調査を命じられ、青白く光る海辺の村を訪れる。
そこでは、毎年のように人が「波の底から呼ばれ」、舟で沖に出て二度と戻らないという。
海は魔法と化学の廃液で汚され、魚は消え、海底には奇怪な呪紋が刻まれていた。
浜辺で青い貝殻を拾う子供たち、網を引き続ける漁師、恐怖を口にしない女たち——
皆が黙って、恐ろしい何かと共に生きている。
やがて私は夜の浜で見た。
波の底から無数の青い手がこちらに伸び、海がまるで呼びかけるかのように囁いていたことを。
それは文明の光がもたらした、滅びの影であった。
しかし、それでも人々は海と向き合い、網を手放すことはしなかった。
——外縁の海で、私は知った。
呪われた波の底には、人が忘れようとしたものが、いまも確かに蠢いていることを。
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