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星狼 2026/02/01 公開 2026/02/01 16:00 更新
森の奥、木々の隙間から差し込む薄い光が、埃のように舞う部屋の中。
ベッドの中で、狼は息を潜めていた。
毛布の下に隠した牙を、そっと舌で確かめる。
今か今かと、待ち焦がれる獲物――あの赤いずきんを被った少女が、扉の向こうに近づいてくる気配を、耳で、鼻で、肌で感じ取っていた。
そして古い木の扉が、ため息のように軋んだ。
入ってきた少女。
赤い布が揺れ、部屋に淡い花のような香りが広がる。
彼女はベッドに近づき、いつものように、純粋な瞳でこちらを覗き込んだ。
「あれ? おばあちゃん、どうしてそんなにお耳が大きいの?」
想定内の質問だ。
狼は喉の奥から、穏やかな声を絞り出す。
「それは、お前の声をよく聞くためだよ」
想定内の回答。
少女を騙し、仕留める。
ベッドの中の狼は不敵に笑う。
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