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真白のあ 2026/10/12 公開 2026/10/12 17:24 更新
南の辺境で暮らす令嬢エマは、冬の終わりに「もって十日」と告げられた。
「十日って、パン十回ぶんね」とのんきに数え、壁に向かって神さまに苦情まじりの祈りをした翌朝、中庭の日時計の影が、十段うしろへ戻る。
命をつないだエマのもとへ、形見の木にするはずだった苗を届けに来たのは、種苗商のノア。
土も雲も霜も数える観察好きの彼は、なぜか毎朝、エマの椅子を少しずつ丘の上へ運び、「落ちてました」と小さな贈り物を置いていく。
けれど天然なエマは、どきどきする理由を「病み上がりだから」だと思いこんでいて――。
やがて国境の向こうから、帝国の「祝賀の使節」がやってくる。
武器も金もない館を守ったのは、目分量の、一杯のお茶だった。
くすっと笑えて、少し泣けて、最後は温かくなる、一話完結の短編です。
『お飾り聖女と氷の辺境伯』と同じ世界の、百五十年ほど前のお話ですが、この短編だけでもお楽しみいただけます。
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