異世界恋愛 完結・全10話

夫の恋人が名乗り出た

九葉(くずは) 2026/08/06 公開 2026/08/06 11:13 更新

あらすじ

この家でいちばん丁重に扱われるのは、いつも他人である。

侯爵夫人イレーネは、八年それを疑わなかった。
自分は家の者だから、後回しでいいのだと思っていた。

ある日の午後、外套も脱がない娘が玄関に立った。
夫の恋人だと、その場ではっきり名乗った。
使用人が全員、息を殺して主人を見た。

イレーネは、声を荒らげなかった。
銀の名刺盆を差し出し、お名刺を頂戴できますかと尋ねた。
そして、いちばん良い客間へ通した。

いちばん良い茶器を出した。
三十分きっかりで、丁重に見送った。
怒鳴りもせず、泣きもしない。

この街には、来客をどう扱うかの細かな決まりがある。
誰を通し、誰を断り、誰の名を盆のいちばん上に載せるか。
それを決めてきたのは、八年ずっと彼女だった。

翌日、夫が話し合おうと言った。
イレーネは、夫を客間へ通した。

彼女がやめたのは、財産でも愛情でもない。
たったひとつ、別のものだった。

その頃、彼女の手の動きの意味に気づいた男が、ひとりだけいた。

嘘はひとつもつかない。
声も荒らげない。
それでも、二度と家の者としては扱わない。

いちばん丁重にもてなすことが、いちばん重い返事になる。
そんな別れ方を、あなたは見たことがあるだろうか。

ポイント

総合ポイント 770
日間ポイント 0
日間ランクイン 2
最高順位 152
評価ポイント 66886.8% ブクマ×2 10213.2%

日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

読者の反応

ブクマ
51
感想
0
レビュー
0
評価者数
87
平均評価
7.68
週間読者
167

ブクマと評価ポイントの推移

10/27〜11/02(7日間)
ブクマ 51-1(7日間)
52 51 50 10/27 10/30 11/02
評価ポイント 668+0(7日間)
669 668 667 10/27 10/30 11/02

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
11/02 51 ±0 668 ±0
11/01 51 ±0 668 ±0
10/31 51 ±0 668 ±0
10/30 51 ±0 668 ±0
10/29 51 ±0 668 ±0
10/28 51 ±0 668 ±0
10/27 51 -1 668 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

順位を読み込んでいます…