ローファンタジー 連載中・全1話

光影奇譚

りえ 2021/01/11 公開 2021/01/11 21:14 更新

あらすじ

___とある時代の人間界、人々は光と影の間を渡り歩いていた。

都会からは程よく離れた村の神社で神主の子として暮らしていた少年、神楽。その妹である笑美とともに仲睦まじく平和に過ごしていた。
日常は、いとも容易く壊れてしまうものなのだと、二人は気付いていなかったのである。
神楽と笑美は、祠に封じられていた神さま、もとい妖狐に騙され、彼女を解き放ってしまった。
妖狐は村を焼き討ちにし、笑美を連れ去っていった。その出来事により両親は命を落とし、神楽は天涯孤独の身となってしまう。

「父と母が残してくれたものを守りたい」

その思いで焼け残った蔵で暮らし、そこにあった書物を読み耽るうちに、神楽は自分が妖払いを生業としていた一族の血を継いでいるということに気がつく。それは両親だけでなく、拐われた妹、笑美にも当てはまることだった。
まもなく、村の土地を売り払うため、亡くなった村長、明石の息子が蔵に乗り込んできた。慌てて逃げまとう中、ひょんなことから祠にあったいかにも怪しい隠し扉を開いてしまう。
その扉の向こうは、今昔大小様々な妖たちが集う『妖界』と呼ばれる世界だった。
そこで、父に世話になったという妖の情報屋、一反と出会う。妖狐の話を聞き、神楽は再び笑美を取り戻す決意を固める。

その一方で、妖界での生計を立てるために、一反の紹介で癒し処『双葉』という店で働くことになった。妖狐の一件で妖たちに嫌悪を抱きつつある神楽だったが、先輩妖の因幡や伯耆を始めとする癒し処の者たちは皆個性が強く、そんなことを考える暇もない。すれ違いや喧嘩をするうちに、神楽は癒し処の皆を慕うようになっていく。

___そんな平和な時間の奥で、影は光を喰らうべく動き始めていた。

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