歴史 短編

   兜首

神山仁 2017/07/09 公開 2017/07/09 21:13 更新

あらすじ

戦国時代の初期、畿内は将軍足利義晴を担ぐ管領細川高国の勢力、義晴の実弟の義継と細川晴元を担ぐ三好元長の勢力、京都を支配下に置いた丹波衆の勢力が乱立する、三勢力が鼎立していた。摂津の国も影響を受けていた。
その影響ため、借金の肩代わりとして、池田家と伊丹家との合戦に駆り出された小平太は、手柄などに目も暮れず、敵の武者から奪い取った野太刀を振り回しては、戦場からへの逃亡に成功したが、神社の境内で、野太刀の持ち主の伊丹家の武者に見つかり、何度か武者の槍の穂先から逃れたが、追い詰められ危うく殺されそうになった時だ、戦場からの流れ矢が小平太を組伏せていた武者の襟首を貫き、小平太は生き延びる事が出来た。
その時、今まで無かった功名心が起こり、絶命した武者の首級を掻き取ろうとした時だ。金貸しの商いをしている、亡くなった父親の従兄弟の忠吉に手柄を横取りされたのである。
その結果、忠吉は侍隊将に出世して、小平太は家も畑も失い、母親も死なせてしまった。その上、初恋の娘も、忠吉の妾に取られたのだった。
何もかも失った小平太は、ただ絶望の日々を送るだけだった。そこへ、池田家の部将の児島勘兵衛が現れ、小平太は池田家の菩提寺へと連れて行かた。
そこには、領主の池田信正と池田家の重臣たちが居並んでいた。むろん、その中には、忠吉の姿もあった。その菩提寺の境内で、小平太は野太刀を渡され、勘兵衛の槍と立ち合う事となった。
立ち合いを五十回ほど刃を交わして終わると、次に勘兵衛は、忠吉とも立ち合いを始めた。だが小平太と違い、忠吉は二十回ほど刃を交わしただけで、戦意を失ってしまった。
この事によって、忠吉の手柄の横取りがバレたのだった。
その夜、忠吉は家財道具を持って、池田領から姿を消した。一方、小平太は池田に侍隊将として仕官する事となり、名も松永久秀と改めたのである。
そして、勘兵衛の恩に報いるために、一人前の侍隊将になるべく武芸の鍛練と兵法書の取得に励んだ。
三年後、畿内は再び高国の支配下に染まり、摂津内にも高国方に寝返る者も多くいた。
そうした混沌とした中、久秀は、勘兵衛に連れられて泉州堺港に連れて行かれ、忠吉と初恋の娘と再会した。そして勘兵衛から、池田家に謀叛する陰謀を聞かされ、自分が利用されていた事に気づかされたのだった。

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