ヒューマンドラマ 短編

息子が喘息発作で救急室に行き、私がそこで縫合したのに、夫は愛人の妊婦健診に付き添っていた

熾星 2026/09/08 公開 2026/09/08 18:17 更新

あらすじ

 スーパーのレジに並んでいた時、五歳の湊が突然、いちご柄の子ども用歯ブラシを一本手に取った。背伸びをして、レジ台の上に置く。

「湊、歯ブラシならもうあるでしょ?」

 何気なくそう言うと、湊は歯ブラシを胸に抱えた。

「これ、ぼくのじゃないよ。妹にあげるの」

 一瞬、何を言われたのか分からなかった。

「妹って?」

 湊は、隣でカートを押していた夫の拓真を見上げた。

「いるよ。パパが、妹が歩けるようになったら一緒に遊びに行こうって言ってたもん」

 買い物袋を開いていた手が止まった。

「いつ、そんな話したの?」

「ママがお仕事で遅かった日」

 湊は少し考えてから続けた。

「パパと莉奈さんのおうちに行ったの」

「莉奈さん?」

「うん。おなか、すごく大きかったよ。赤ちゃんいるんだって」

 拓真の顔から表情が消えた。

「湊、適当なこと言うな」

 湊は慌てて首を振った。

「嘘じゃないよ。莉奈さん、赤ちゃんが生まれても――」

「湊!」

 鋭い声に、子どもの手がびくりと震えた。

 いちご柄の歯ブラシが床へ落ちる。

 私はしゃがんで拾い、棚には戻さず、そのまま買い物かごへ入れた。

 拓真がこちらを見る。

「子どもの勘違いだ。真に受けるなよ」

「そう」

 会計の直前、同じいちご柄の歯ブラシをもう一本取った。

 拓真に差し出す。

「来週も莉奈さんの妊婦健診に付き添うんでしょ。ついでに渡しておいて」

ポイント

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日間ポイント 0
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日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

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ブクマと評価ポイントの推移

10/25〜10/31(7日間)
ブクマ 11+2(7日間)
12 11 10 9 10/25 10/28 10/31
評価ポイント 362+28(7日間)
360 340 10/25 10/28 10/31

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
10/31 11 ±0 362 ±0
10/30 11 ±0 362 ±0
10/29 11 ±0 362 +10
10/28 11 ±0 352 ±0
10/27 11 ±0 352 ±0
10/26 11 +1 352 +18
10/25 10 +1 334 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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