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宮林 實 2025/02/19 公開 2026/06/13 09:33 更新
今から二十年前の一九八六年四月十七日未明、岡山県M市で未曾有の火災事件が起こった。
一斉に家や人に火の手が上がり、炎が草木を走るように燃え広がっていく様は、まさに鬼の所業だと言われるほど酷い惨状で、当時の死傷者は合わせて五百人を超えた。
複数の怪しい人物を見た者はいたものの、結局犯人は捕まることはなかった。
巷でこの事件は、通称『草鬼(そうき)事件』 と呼ばれている。
そんな事件が起こった隣町で生まれた岩崎均(いわさきひとし)は、大学進学を機に憧れていた東京へ上京した。表面上は普通の大学生活を送っていたが、心に蟠りを抱えたままの均は、東京に居るという実感がなかった。
しかし東京のシンボルとも言うべき東京タワーを直接見たことにより、東京に居るという実感が湧き、心にしまい込んでいた四年前の大川優香(おおかわゆうか)との出来事を思い出す。
それをきっかけとするように出会った岡本雪(おかもとゆき)は自身を “自然の使者” と名乗った。
四年前の出来事が物語る真実を、大川優香から預かった七色の不思議な数珠を通して知ることになる。
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