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来谷 仁 2023/03/26 公開 2023/04/01 04:37 更新
時は西暦2200年。パソコンやAIの発達により誰もがVRゲームを作れるようになった時代。ネット上では自分の考えた最高に面白いゲームを作り、投稿サイトで配信するのが流行していた。各々がダウンロード数や評価で一喜一憂する中、2・3年前から頭角を表し始めたゲームクリエイター『リナリア』。彼、もしくは彼女は自らの作品を商業化せずメディアの前に出ることも無く謎のベールに包まれているのだった。
「そういえばまた私の正体考察スレが立ってたんだけどさ、1番有力な候補が中年親父(公務員)なんだけど。本物がこんな美少女だったって知ったら皆どんな反応するのかな?」
「見事なまでに真逆行ってんの面白いな。それはそうと、もう美少女って言える年じゃなくね?」
いったい誰が信じるのだろう。男の部屋に上がり込み座椅子で最大限にだらけながらスマホをいじっているこの女子大学生が『リナリア』だということを。
「うっさいなぁ。まだ20代前半だからセーフだよセーフ!」
「はいはい。じゃあそろそろ再開するけど準備OK?」
ただの冴えない男子大学生が『リナリア』の新作を全てテストプレイさせられているだなんて。
男がVRにログインし静かになった部屋。女が1人呟いた。
「これでダメだったらもう生まれ変わるでもしてくれないと……?そうか!生まれ変わらせれば!!」
女がキーボードを叩く音のみが響く。2時間ほど経ち女の手が止まった時、パソコンには一つの企画書が映されていた。
『fantasy life simulator 』
これはゲームクリエイターとゲーマーによる少しズレた青春の物語である。
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