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シロの空 2026/09/08 公開 2026/09/11 00:00 更新
2026年9月8日執筆者開始。
2026年9月9日ランキング152位に載りました
2026年9月11日ランキング67位に載りました
2026年9月12日ランキング247位に載りました
2026年9月13日ランキング167位に載りました
2026年9月14日ランキング162位に載りました
2026年9月15日ランキング157位に載りました
異世界の城壁都市、その片隅に少し変わった食堂がある。
店の名は《持ち込み食堂》。
決まった献立はない。
必要なのは、客が自分で食材を持ってくること。
魔物の肉でも、巨大な魚でも、森で採った茸でも、故郷から届いた野菜でもいい。
「食べられるものなら、なんとかしますよ」
そう言って厨房に立つのは、数か月前、何もない草原で倒れていたところを発見された料理人――鏡悠斗。
彼がどこから来たのか、この世界の誰も知らない。
そんな店には今日も、さまざまな事情を抱えた客がやってくる。
冒険者を辞めるべきか迷う男。
亡き夫との思い出の味を探す老婦人。
家族とすれ違った職人。
人間を嫌う魔族。
故郷へ帰れなくなった旅人。
彼らが持ち込むのは、食材だけではない。
後悔や迷い、思い出、そして誰にも話せなかった悩みも一緒だ。
悠斗に人生の答えは分からない。
できるのは、持ち込まれた食材を一番うまいと思える料理に変えることだけ。
けれど同じ卓を囲んだ見知らぬ誰かの言葉が、ときに客の背中をそっと押す。
かつて励まされた客が、いつか別の客を励ますこともある。
そうして料理から生まれた縁が、人から人へつながっていく。
そして百人の客と出会ううち、悠斗自身が隠してきた「故郷」も少しずつ明らかになっていく。
これは、料理だけですべてを解決する物語ではない。
それでも温かい一皿と誰かの言葉があれば、人は昨日よりほんの少しだけ前へ進める。
百人の客、百の食材、百の人生。
今日、《持ち込み食堂》の扉を開けるのは――どんな客だろう。
最後に、自分の人生を選ぶことになる、一人の料理人の物語。
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