歴史 連載中・全9話

第四話「贋坊主」

和泉和佐 2024/04/19 公開 2026/09/11 09:36 更新

あらすじ

 依頼人は呉服問屋・山城屋のおかみのおふじ。彼女はある人物に強請られていた。強請の種はおふじの火遊び(不倫)である。
 強請っているのは坊主で、しかも高僧と名高い静謫(じょうたく)上人という人物に強請られているという。
 こんな奴が名高い高僧の訳がない、絶対に贋物だから強請り坊主を懲らしめるためにこっちも贋物の静謫上人を、と依頼してきた。
 雪之丞たち贋物屋はこの依頼を受けることにするが、さてそこで問題が起こる。誰が贋坊主に化けるのかという問題が。
 舞台上の坊主役となればカツラで済まされもしようが、実際に成りすますとなれば別である。つまり、誰かが実際に頭を丸めなければならないということなのだ。醜い押し付け合いが始まるところであったが、ひょんなことからその贋坊主役として近所に住む放蕩坊主が名乗りを上げた。
 この放蕩坊主、名を静寛と言い、喧嘩はする酒は飲むというとんでもない坊主だったが、試しに贋坊主の衣装を着せてみれば中々に堂に入っている。それもそのはずで彼こそが本物の静謫上人その人であった。
 自分のニセモノが現れてハバを利かせていると知っても特に何をするわけでもなく冷笑を持って傍観していたのだが、それが脅迫まがいのことまでしているとあっては放置しておけないというわけだ。
 とにもかくにも、その贋物ぶりに気を強くした山城屋のおふじはさっそくこちらこそが本物と連れ歩いた。
 強請り坊主の方は大慌てとなったが、相手もまた自分と同じく贋物であると気づく。強請り坊主は寺社方の役人に手を回し、静謫上人の本物比べを画策。さて、本物比べの当日。後見役の雪之丞と助三(変装済み)が付き添った。だが、その日は埒が明かず結論は次回に持ち越された。
 帰り道、静寛が曲者に襲われるもこれを撃退する。静寛は、用心棒についていた助三と雪之丞の出番がないほどの腕の冴えで、助三と雪之丞が訝しむ。ここで初めて静寛が本物の静謫上人であることを二人が知る。それならばそれでやりようがある、と雪之丞たちは悪だくみを始める。
 そして、再び開かれた本物比べの席上に座頭の惣右衛門が立派な武士の姿にて乱入。静謫上人は元々が武家の出で、その生家である旗本の用人が首実検しに来たという仕掛けである。正体がバレて観念した強請り坊主は這う這うの体で江戸を逃げていったのだった。
*この作品はpixivにも掲載しております。

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