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楠 冬野 2020/09/11 公開 2021/05/05 07:33 更新
《本編抜粋》
「――雨様、後ろ!」危機を知らせる叫び声。あとを追ってきた緋花が、校舎の影から飛び出る。 藤十郎は既にハルを見ていなかった。 武人の厳しい視線が上方に向かう。間髪を入れずに藤十郎の背後から影が飛び出した。 ――なんだ!? 影が飛び出した先、その影の正体を認識するより早く、ハルは校舎の屋上にセーラー服の少女を見つける。 不敵な笑みを浮かべ真っ直ぐにハルを見下ろす少女。風に戦ぐ短髪の、その黒髪の隙間から眼光鋭く獲物を捉える碧眼は敵意を剥き出しにしていた。
《あらすじ》
雨の陰陽師――かつて、超絶の力を示した英雄がいた。
十六才の夏、蒼樹ハルは今生の雨の陰陽師となった。彼は黒鬼の解放を成し遂げた後に普通の高校生に戻ることを望んだ。しかし怪奇は彼を縛り付けたまま放さなかった。ハルは再び曰くを持つ少女らと出会う。緋花(妖花)は、黒の姫様を救って欲しいと懇願した。一方で笛(黒鬼衆の少女)は手にしている神器を正当な所有者へ還せと刃を向ける。異界に連れ去られた少年の前に次々訪れる絶体絶命の危機。黒鬼一族と雨の陰陽師の末裔達の諍いを横目にしながら更なる悲劇を見せられるハル。複雑に絡み合う因果の中で各々の思惑が交錯する。愛するが故に歪む者達。行く先に待ち受けるのは幸か不幸か。主人公のハルは、妖花と黒鬼の娘は結末に何を観るのか。
※全編改稿完了。少しは読み物として整ったはずです。良ければ感想を書いて下さい。
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