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ムクナ 2025/10/25 公開 2026/02/06 19:06 更新
幼い少女・綾乃には、生まれながらに“亡者を見る力”があった。
他人には見えぬ“死者の影”たちが、いつも彼女の傍らに寄り添い、囁きかけていた。
十二歳のある夜。
悪霊が綾乃の身体に憑依し、暴走する。
そして、目を覚ました時、家の中は血の海と化していた。
父も母も、幼い弟までも……自らの手で殺めてしまったのだ。
絶望の淵に立ち尽くす綾乃の前に現れたのは、白晨狐神社で修行を積む、霊刀の使い手“甚平“。
彼は命を賭して悪霊を祓い、綾乃を救い出した。
それから五年....。
綾乃は白晨狐神社で修行に明け暮れ、己の“力”と向き合い続けた。
十七歳となった今、彼女は巫女として、死者の声を聞き、浄化できるまでの存在へと成長していた。
ある日、ひとりの“子供の霊“が現れる。
「たくさんの子供たちが……洞窟に、閉じ込められている……」
その訴えを聞いた綾乃は、“甚平”と共に山奥の洞窟へ向かう。
だが、そこに待ち受けていたのは、
子供たちを生贄に、“呪箱”と呼ばれる禁断の器を生み出す闇の儀式だった。
その儀式を執り行っていたのは、三体の異形の鬼。
綾乃は命を賭して戦い、なんとか一体を討ち滅ぼすことに成功する。
だが、残る二体の鬼の力は圧倒的であった。
甚平が倒れ、綾乃は命からがら神社へ逃げ帰る。
神社の宮司“膳槽(ぜんそう)“は、綾乃から話を聞き、全てを覚悟した。
「ここも、安全ではない……。綾乃、これを持って行け。御神体《みたま》じゃ」
膳槽は神社の御神体を綾乃に託す。
「この光を絶やすな……清蓮神社へ行け。そこに、まだ希望が残っておる」
涙を堪えながら、綾乃はうなずいた。
御神体を守る使命を背負い、少女は再び闇の地へと歩み出す。
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