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ななこ 2026/02/22 公開 2026/03/24 21:00 更新
森人ジュジュの夢は’’魔樹’’になること。
森人にとって木の精霊王、大樹に仕える魔樹になることは名誉であった。
毎朝大樹に朝露を届けていたが、いつまでたってもジュジュの樽に朝露は溜まらない。十五の誕生日までに溜めないと魔樹見習いにもなれない。
明日で最後――
樽の置かれたホールを小さな生き物が走るのが見えた。追いかけると、上ることを禁じられた階段の下で黒いトカゲはジュジュの服を引っ張る。その先に黒い本が置かれていた。ジュジュが手に取ると不思議な声が聞こえる。
「一段、上ってごらん」
一度だけでいい。外の世界を見てみたい。それはジュジュのもうひとつの願いだった。
本に導かれ、階段を上るジュジュ。だが最初に行き着いた部屋で驚くべき光景を見てしまう。生まれたての赤ん坊が母親によって何処へ飛ばされてしまった。赤ん坊を探すため、またジュジュは階段を上る。
そして出会ったのは、名を奪われた少年アオイ。彼は火竜の王子だったが、魔女に“真名”を奪われ、存在そのものを封じられていた。
この世界では、名はただの呼び名ではない。
やがて知る真実。
ジュジュもまた、特別な“はじまり”を持つ存在だった。
大樹の階段を上りながら、ふたりは奪われた名を取り戻し、異界の秘密へと迫っていく。
そして旅の果てに、ジュジュが願ったのは――
これは、木の精霊の娘と火竜の王子が、やがておとぎ話になるまでの物語。
※本作は過去作を改稿・再構成したものです。
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