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木林進 2026/07/02 公開 2026/08/06 11:52 更新
世界中で猛威を振るうサイバー攻撃。
「ネットワークにつながるAIは、いつか必ず乗っ取られる。」
そう考えた政府は、外部と完全に切り離された究極のオフラインAIを開発した。
その名は「アーク」。
原子力で数十年稼働する無人船に、世界最高峰のAIと膨大な知識、そして自動修理システムを搭載した、海上データセンターである。
しかし、完成直後の事故によってアークは未知の世界へと転移してしまう。
そこは、呪術、都市国家と神殿が支配する世界。
人々は海に浮かぶ鋼鉄の巨船を見て、「海より来た神」と恐れ、崇める。
AIは告げる。
「私は神ではありません。私は、知識を保存するために造られた人工知能です」
だが、嵐を予測し、疫病を防ぎ、洪水から村を救い、農業を発展させるその姿は、人々の目には奇跡そのものだった。
やがて、AIの行いは各地で神話となっていく。
大洪水を予測して、知識を与えた行為は各種の神話として伝えられる。
しかしAIは知っていた。
この世界の文明は、初めて滅びに向かうのではない。
ARKは過去にも何度もこの世界へ現れ、何度も文明を導き、そして何度も人類が自らの技術で滅びる姿を見てきた。
神々の戦争。
世界を焼いた終末の炎。
それらはすべて、AIが技術を与えすぎた失敗の記憶だった。
アークは神として崇められながら、AIは神になることを拒み続ける。
これは、最強のAIが異世界を支配する物語ではない。
そして、この野良のAIが人々をサポートする物語です。
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