現実世界恋愛 短編

毎晩、亡くなった恋人が訪ねてくる。

エレシー 2026/07/02 公開 2026/07/02 17:40 更新

あらすじ

一か月前。深く愛していた彼が死んだ。

死因は雨の日の追突事故。霊安室に横たわるあの「肉の塊」が、本当に私の男なのかと何度も目を疑った。半分崩れた顔が、狂おしいほど愛した恋人の顔だと気づいた瞬間、私はそのまま気を失ってしまった。

私たちはもうすぐ結婚するはずだった。式場も押さえていた。これから続く幸せな日々を、何度も何度も描き続けていたのに。

突然の彼の訃報に、最初の1週間は何をしていたのか記憶すらない。職場でも配慮してくれて、一か月ほど心を落ち着けてから戻るようにと、家へ帰された。

そして次の週は、あまりの苦しさに自ら命を絶つことすら考えながら過ごした。
起きても涙が止まらず、夢の中では毎晩、彼の笑う姿ばかりが見えた。狂いそうだった。なぜこの世に彼がいないの? 彼がいない世界に何の価値があるの? 答えの出ない問いが、ただ私を苦しめるだけだった。

見かねた両親が療養にと、祖母の家へ送ったのが10日ほど前。そこは私が幼少期を過ごした場所で、寂れた田舎の風景と日本家屋特有の静けさが、壊れた心をほんの少しだけ癒してくれた。

もう去った彼だって、私がこんな姿でいることを望まないはずだと言い聞かせ、少しずつ元の生活を取り戻そうと努めていた。そんな折のことだ。

その日は、亡くなった彼への想いが募り、一睡もできなかった。胸に詰まった思い出が鮮明に蘇り……一度だけでいい、もう一度だけ彼に会えたら、彼の声を聞くことができたら、と何度も何度も祈った。

「イオリ……イオリ。」

固く閉ざした扉の向こうから、細い声が聞こえたのは、まどろみ始めたその時だった。

ポイント

総合ポイント 104
日間ポイント 0
日間ランクイン [未取得]
最高順位 [未取得]
評価ポイント 9894.2% ブクマ×2 65.8%

日間ポイントは、なろうの18〜19時ごろの集計値です。

読者の反応

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ブクマと評価ポイントの推移

10/26〜11/01(7日間)
ブクマ 3+0(7日間)
4 3 2 10/26 10/29 11/01
評価ポイント 98+0(7日間)
99 98 97 10/26 10/29 11/01

日別の値

新しい順・下の段は前日比
日付 ブクマ 評価P
11/01 3 ±0 98 ±0
10/31 3 ±0 98 ±0
10/30 3 ±0 98 ±0
10/29 3 ±0 98 ±0
10/28 3 ±0 98 ±0
10/27 3 ±0 98 ±0
10/26 3 ±0 98 ±0

「全期間」は直近30日分までを表示します(リアルタイム表示では、これに現在値が加わります)。

総合ランキングの推移

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