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しゃかもともかさ 2023/06/06 公開 2023/07/27 10:50 更新
宮尾薫子が「いなくなった」のはおよそ半年前。
今現在、彼女の身体に入っているのは、「私」という別の存在だ。
私と宮尾薫子は多くの点で異なる。私は彼女のように一人になっても心細さを感じない。
けれど、いくつかの点で類似しているとも思う。
私も、約束を反故にされることが人よりも少し許せない。
私のような存在は〈天使〉と呼ばれている。
この呼称は好きではない。でも、すでに定着したものに文句をつけるのも難しい。だから、仕方なく受け入れることにしている。
この世界には自殺や殺人、戦争や宗教が存在しない。
そういった良くないもの……〈悪魔憑き〉たちは私たち〈天使〉が殺すからだ。
〈悪魔憑き〉は記憶にも、記録にも残らない。残さない。
朝起きて、目を覚ませば全ては綺麗に漂白されて「なかったこと」になる。そうやって世界の秩序は守られているのだ。
でも、彼だけは、一樹だけは孤独に悪夢を見続けている。
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