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あちゅ和尚 2026/05/20 公開 2026/05/20 13:26 更新
六十年を生きて死んだ山本龍之介は、忘れられた祠を直した縁で、名も知らぬ神から転生の機会を与えられる。
望んだ先は、戦国。
織田信長の時代。
神が龍之介に授けたのは、二つの才だった。
呂布奉先の武に近い、二十歳前後の若き肉体。
そして、郭奉孝の知に通じる、戦場の穴を見抜く冷たい読み。
だが、龍之介自身はその異常な武と知をまだ扱いきれていない。
転生して間もなく、龍之介は尾張東境の小競り合いで、若き織田信長の小勢に加わる。
敵は三倍。
味方は橋へ退くしかないと思っている。
しかし龍之介だけは、その橋こそが敵の仕掛けた殺し場だと見抜く。
勝ちを急ぐ敵。
伸びきった前列。
雑木林側に生まれた小さな裂け目。
龍之介は信長に進言する。
「橋へ退けば死にます。右を裂けば、敵将に届きます」
信長はその言葉に賭ける。
そして龍之介は、徒歩のまま長柄槍を握り、敵陣の穴へ飛び込む。
武と知を授かった男が、信長の負け戦をひっくり返す戦国転生短編。
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