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ちとせ鶫 2026/05/12 公開 2026/07/20 01:00 更新
この世界では、言葉は精霊と世界を繋ぐ“対話の術”である。
詠唱は命令ではなく、土地に宿る精霊たちへの呼びかけ。
その言葉の重さに応じて、術者には“代償(テノア)”が課される。
ノエル・ブライトガーデン。
規定(ルール)に合わない詠唱しかできず、学院では落第生と呼ばれた少女。
だがその詠唱は、精霊たちには誰よりも真っ直ぐ届いていた。
アルド。
声を持たず、ノエルの代償を肩代わりする“沈黙の師”。
ノエルの詠唱が世界に触れるたび、
その代償はアルドの沈黙へと落ちていく。
声を持たない彼の枷がノエルの言葉を守り、
二人の詠唱は初めて“ひとつの術”になる。
レイ。
風のように現れ、光のように揺らぐ精霊の案内人。
人間よりも早く世界の変化を察し、
ノエルの詠唱が触れ始めた“揺らぎ”の正体を、
誰よりも近くで見つめている存在。
旅の中で、三人は気づく。
各地で起きる小さな異変。
応えない精霊。
大地の下で始まる“歪み”。
世界は今、静かに変わり始めている。
そして――
世界の根に触れる詠唱《グランド・アリア》が、
いつか彼女を呼ぶことになる。
それは三十分だけ世界の境界が薄れ、
言葉が“世界そのもの”に届く、ただ一度の奇跡。
これは、
言葉と代償で世界と向き合う、
師弟と精霊が紡ぐ詩学ファンタジー。
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